賃貸の経年劣化とは?
2024.8.10
賃貸物件を退去する際には、部屋を入居前の状態に戻す「原状回復義務」があります。
借主が原因となって発生した消耗や損害は、借主の責任で修繕・補償しなければなりません。
ただし、経年変化や通常損耗で修繕が必要になった場合は、
大家さんである貸主の費用負担となるため、経年劣化についても理解しておくことが大切です◎
それでは早速、「経年劣化」とはどのようものなのか、詳しく見ていきましょう!
経年劣化とは
経年劣化とは、年数が経つと自然と生じる劣化のことです。
例えば、クロスや畳、フローリングの変色は、原因が日照によるものが多く、生活するうえで避けられません。
このような時間の経過によって発生した劣化は経年劣化に該当します。
通常損耗との違い
通常損耗とは、通常の生活を送る中で生じてしまった傷みや損傷のことです。
例えば、壁や床の小さな傷は、生活するうえで避けられないため、通常損耗に分類されます。
経年劣化との違いとして、経年劣化は時間の経過とともに生じるため、人が住んでいなくても起こりますが、
通常損耗は時間の経過とは関係なく、生活とともに生じる傷みや損傷のため、入居者がいないと発生しません。
また、経年劣化や通常損耗の修繕費は大家さん負担なので、基本的には借主負担にはなりませんが、
わざと傷を付けた場合は「特別損耗」に分類され、借主負担となりますので覚えておきましょう!
経年劣化しやすい箇所
経年劣化は以下の場所で発生しやすいです。
皆さんのお部屋もどうなっているかチェックしてみてください!
■壁や天井(クロスなど)
■床・フローリング・畳
■バストイレ・キッチンなどの水回り
■室内設備、その他
経年劣化に当てはまる例
■日焼けによる天井、壁、床の変色
■ポスターやカレンダーなどによる壁紙の変色や画鋲の穴
■家具を置いたことによる床のへこみ
■トイレ・お風呂の黄ばみ、パッキンの劣化
その他に、ドアノブが壊れた場合も設備の経年劣化とみなされることが多いです。
ただし、壊れたまま使用を続け悪化させてしまうと「特別損耗」扱いになり、費用が発生するので注意しましょう。
経年劣化に当てはまらない例
以下のようなケースは「特別損耗」に該当します。
■たばこのヤニ汚れによる天井、壁、床の変色
■故意、不注意による汚れや傷
■設備の故障を放置して使用していたもの
■ペットによる汚れや傷
■子供の落書き
特別損耗とは、国土交通省のガイドラインによると、
「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等」とされています。
つまり、借主の故意や過失による傷や汚れの修繕費用は、原則として借主負担となります。
原状回復費用の疑問は管理会社に相談しよう
原状回復費用に疑問を感じたら、まずは管理会社に相談することがおすすめです。
また、原状回復に関してはトラブルが多いことから、
国土交通省では「原状回復のガイドライン」として、一般的な基準を取りまとめています。
万が一高額な退去費用を請求をされた場合でも対応できるように、
退去時には、このガイドラインと入居時に交わした賃貸借契約書を確認しておきましょう!
トラブルを避けるためにも、経年劣化や原状回復の基礎知識を身につけておくと安心ですね◎