賃貸の退去費用
2024.7.27
賃貸住宅を退去するときに原状回復のためにかかる「退去費用」ですが、
実際に「退去時にどのくらい請求されるのか」心配になった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
退去費用に関してはトラブルも発生しやすいため、こちらのコラムをぜひご参考ください!
退去費用とは?
退去費用とは、賃貸物件を退去する際にかかる修繕費用のことです。
退去後の修繕は、次の入居者が住める状態にするために実施されますが、
修繕内容によって、借主が修繕費用を負担するケースがあります。
原状回復義務とは?
賃貸物件を退去する際、部屋を入居前の状態に戻すという原状回復の義務があります。
まず、借主が原因となって発生した消耗や損害は、借主の責任で修繕・補償しなければなりません。
例えば、
・飲み物や食べ物をこぼしてできたシミ
・タバコの臭いやヤニ汚れ
・壁の傷や落書き
などといった借主の故意・過失による場合は、借主が費用を負担しますが、
経年変化や通常損耗で修繕が必要になった場合は、大家さんである貸主の費用負担となります。
これらの費用負担の範囲は、
国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』によって決められています!
特約で定められた費用
原状回復義務とは別に、賃貸借契約時に「特約」が設けられている場合は、
特約で定められている費用も支払う必要があります。
よくある特約としては、以下のようなものが挙げられます。
・退去時のクリーニング代は借主負担となる
・短期解約は違約金が発生する
賃貸借契約を結ぶ際には、借主が不利となる特約がついていないか、しっかりと確認しておくと安心です◎
退去費用に影響する要素
◆居住年数
長く住んでいることで自然にできる傷や汚れは「経年劣化」と判断されることも多いです。
一般的には6〜8年ほど居住することで、経年劣化による自然消耗が認められて、
原状回復義務による設備の費用は貸主負担となるケースが多いです。
具体的には以下のようなものが経年劣化に当てはまります。
・壁に残った画鋲やピンの跡
・家具や家電を置いていた床のへこみ
・太陽による壁紙やフローリングの日焼け
・エアコン内部の汚れ
・耐用年数経過による設備の故障
ただし、借主の故意・過失によるものは、借主負担となりますので気を付けましょう!
◆広さ・間取り
部屋数が多く、広い物件は退去費用も高くなる傾向にあります。
◆補修箇所
居住期間や広さに関係なく、補修や清掃が必要な個所が増えると、
もちろんその分、退去費用も高くなります。
敷金は戻ってくる?
入居時に敷金を支払っている場合、原状回復費用は敷金から差し引かれます。
この原状回復費用が敷金よりも高額だと、追加の支払いが必要となり、
敷金よりも安く収まれば、通常は残った差額が返金されます。
入居時に「敷金なし」だった場合は、原状回復費用の借主負担分が請求されるため、
退去時の費用が大きくなりやすい点に注意しましょう!
まとめ
原状回復費用をできるだけ抑えるには、
日頃から部屋をきれいに掃除し、設備などを丁寧に扱うことが大切です◎
また、退去費用が思いがけない額になってしまわないように、
賃貸契約を締結する際には、契約内容をしっかり確認するようにしましょう。