【売却事例】境界トラブルを解決するためには?
2025.7.22
土地の境界に関するトラブルは、隣接する土地の所有者間でよく発生します。主な事例としては、【境界標の破損や移動、越境、認識の違い】などです。これらのトラブルは、土地の売買や建物の建て替え、相続などの際に問題となることがあります。
それでは、今回は解決事例のご紹介です!
不動産トラブルのご相談
依頼主は都内在住の会社員さんで、仮名として 宮本様 とします。
「数年前に母親が亡くなり、その後に一人で住んでいた父も数カ月前に亡くなったので、その住んでいた川口市内の戸建てを相続した。そこで、売りたいのだが売れずに困っている」との事でした。
理由は、境界トラブルでした。
隣地の方を、仮名として 佐々木様 としますが、境界杭の立会い承諾をしてくれないそうです。
受け継いだ土地で、隣地との境界線がはっきりしていないことは珍しくありませんが、売却するには境界を明らかにしておく必要があります。今は【境界を確定しない】と、銀行などが住宅ローンを貸してくれないので売却が難しいです。
実際に隣地と交渉したり測量したりするのは不動産会社が手配した土地家屋調査士ですが、このようにトラブルが起きた時にどこまで対応してくれるかは不動産会社次第です。当社は、営業担当が直接現場に行って交渉しますが、そこまでやる不動産会社ばかりではないというのが現実です。
隣地の方はどうして立会いを拒否するのか?
早速、佐々木邸に伺いましたが、最初はインターフォンで門前払いです。粘り強く3度目に、たまたま庭を掃いていた佐々木様がいてお話しができました。
佐々木様にだって必ず理由はあるはずです。
理由を聞くと、「約30年前に宮本邸の樹木の枝が佐々木邸へ越境していて、『切ってください』と言ったら、当時の宮本様の父親は気が強かったらしく、拒否され、そこから仲が悪くなった」そうです。
それからは、近所を経由して悪口の言い合いをするようになり、恨みが貯まっていったようでした。
隣地と不仲であることが原因で立会いに協力してもらえないケースは比較的よくあることで、不仲になる理由はさまざまですが、下記のようなことが原因で後々トラブルに発展する可能性があります。
■先代の人に意地悪をされた
■自宅を修繕するときに協力してくれなかった
■庭木の葉っぱが落ちてくる、枝が越境してくる
境界トラブルを防ぐためには住んでいるときの人間関係が大きく関係するため、日頃から良好な関係を築いておくことが大切です◎
解決に向けた第一歩
ともかく理由はわかったので、そこからは佐々木様の為になる事を考えました。
将来、佐々木様が土地を売却したり建物を建てたり測量が必要になった際に、次はご自身が拒否される立場になってしまう可能性もあります。
そして、「お気持ちは本当によく分かりました。ただ逆に、将来佐々木様も売却する時に同意してもらえず困るかも知れないです」と言うような事をお伝えしました。
いきなりすんなりと、とは行かずとも、まずは布石を打てました。解決方法はいろいろとありますが、できることなら冷静な話し合いによる解決が最も望ましいです!
そこで宮本様の息子様に理由を説明して、お手紙だと失敗する可能性があるので、一緒に行きましょうか?と提案し、話し合いのチャンスを設けることができました。
佐々木邸に伺うと、ご自宅に上げてくださり、宮本様も『あの父なら本当にそうだと思います。申し訳ございませんでした』『いやいや、息子さんにそう言ってもらえると助かります』ぐらいに、良い雰囲気になりました。
こうして、その後はしっかりと話がまとまり、宮本様、先生、初期対応の測量士様にも喜ばれる結果で収めることができました。
お困りごとは不動産カエルまで!
土地の境界線におけるトラブルは、比較的起こりやすく、売却するなどの不動産取引において大きな支障となってしまいます。加えて、境界トラブルのある土地や一戸建ては、不動産会社からすれば手間のかかる案件です。
今回のご相談者様も、当初は大手の不動産仲介会社に依頼していたとの事でしたが、途中であきらめられて放置されてしまって、どうしたらよいか困っているという経緯からご来店されました。
こうした状況の中、納得のいく形で売却するためには不動産会社のサポートが必要不可欠です。そのためには、時間や手間を惜しまず、粘り強く対応してくれる不動産会社を見つけましょう◎
もし、売却を検討している土地でトラブルを抱えていたり、お困りごとがあれば一度不動産カエルにご相談ください。過去の事例も踏まえて、柔軟かつ粘り強くサポートいたします!