不動産オーナー向け!相続税評価の改正
2026.1.26
2025年12月19日に「令和8年度税制改正大綱」が発表されました。注目したいポイントは、不動産に関連する相続税の改正です!
この税制改正では、賃貸不動産の評価方法が変更される見込みです。貸付用不動産を使った相続対策や不動産小口化商品の評価見直しなど、賃貸不動産の所有者様に影響ある改正が盛り込まれています。
今回のコラムでは、その主要ポイントを解説していきます!現時点での税制改正の方向性としてご参考ください。
※今後、国会で成立するまで、具体的な内容が一部修正される可能性があります。
基本のルール:現行制度のおさらい
■相続税 ⇒ 遺産を取得したときにかかる税
■贈与税 ⇒ 生前に財産をもらったときにかかる税
【不動産の相続税評価の基本】
■土地:路線価方式(路線価が定められていないエリアは倍率方式)
■建物:固定資産税評価額をベースに計算
■貸付不動産:通常の通達評価で計算し、場合によっては評価を圧縮できることもある
上記の通り、相続時には市場価格(実際の売買価格)ではなく路線価・固定資産税評価額が使われることが多く、その評価額は市場価格よりかなり低くなることがあります。
その結果、相続税負担も軽くなるため、相続税対策として使いやすく、同じ資産額でも不動産を持っている人のほうが相続税が安くなるケースが多くありました。
今回の改正は、このような税の不公平を是正するためだったり、行き過ぎた相続税対策いわゆるタワマン節税などを封じる目的もあるようです!
改正ポイント:不動産評価の見直し
【対象】
被相続人(財産を残して亡くなった人)・贈与者(財産を無償で与える人)が相続開始・贈与前 5年以内に取得、または新築した貸付用不動産(賃貸マンション等)
【評価方法】
■現行:路線価等の通達評価がベース
■改正後:時価ベース
①原則として 「課税時期の通常の取引価額(実勢の市場価格に近い価額)」で評価する
②ただし、課税上支障がない場合は、取得価額に地価変動を加味した額の およそ 80%程度の評価 も認められる
【適用開始時期】
■令和9年1月1日以後開始の相続等から適用予定
この評価方法の変更により、【相続税評価額が上がる=相続税の負担が増える】ということになります。いわゆる「相続直前に買って評価を下げる」という節税対策の効果が 縮小・実質的に終了する方向です。
不動産小口化商品も時価評価へ
小口化された貸付不動産商品(高額な不動産を複数人で所有する商品)についても、 取得時期に関係なく、課税時期における市場価格ベースで評価する仕組みへと見直されます。つまり、従来のように「路線価などの低い通達評価で済ませる」ことができなくなります。
【評価方法】
■現行:路線価等の通達評価がベース
■改正後:時価ベース
【適用開始時期】
■令和9年1月1日以後開始の相続等から適用予定(取得時期に関係なく適用)
他の貸付用不動産は「相続・贈与前5年以内に取得したもの」を対象に評価見直しが行われますが、不動産小口化商品は例外で、改正後は「取得時期に関係なく」評価見直しの対象となります。
例えば、令和8年に購入した小口化不動産であっても、相続や贈与が令和9年以降(適用開始後)になれば新ルールの対象になります。しかし、令和8年に購入した小口化不動産を、令和8年中(適用開始前)に贈与すれば新ルールの対象外ということです。
駆け込みの購入を許してしまうことになりますが、購入してからすぐに贈与すると、租税回避とみなされて時価ベースの評価に修正される可能性もありますので、よく判断する必要があります。
まとめ
今回発表された「令和8年度税制改正」では、 貸付・投資用不動産の相続税評価方法が見直され、これまで比較的低く評価できていたものが、実勢に近い評価(市場価格)に引き上げられる方向 へ変更されます。
特に「相続前5年以内に取得した賃貸物件」や「小口化商品」は、評価額がこれまでより高くなりやすいため、 節税効果が小さくなる・税負担が重くなる可能性が高く、節税に大きな影響を与えるのではないでしょうか。
そのため、今後は税制改正の動向を踏まえつつ、相続税対策は直前に行うのではなく、早い段階から中長期的に行うことが重要になります!制度が変わるからこそ、所有不動産を改めて見直す良い機会ともいえるでしょう◎
不動産カエルでは、専門家と連携して相続税をシュミレーションしたり、見直しのお手伝いをさせていただいております。相続や贈与について気になる点や少しでもご不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。お問い合わせをお待ちしております!

