家賃滞納で裁判になる?!
2025.7.1
賃貸アパートやマンションは、毎月必ず家賃を支払わなければなりません。毎月かかる費用の中でも「賃料」は大きな割合を占めています。
家賃の滞納はあってはならないですが、万が一、家賃を払えない状況になってしまった場合、早めに対策することが重要です。
家賃滞納が続くと、強制退去も十分にあり得ますので、家賃滞納のリスクや対処法について一緒に見ていきましょう!
家賃を滞納したらどうなる?
家賃を滞納してしまったからといって、すぐに裁判沙汰や強制退去とはなりません。
まずは必ず、大家さんや管理会社(または保証会社)から手紙や電話などで家賃支払いの督促がくるはずです。大抵の場合はこの段階で応じていれば、それほど大きな問題になりませんが、無視し続けると強制退去にまで発展していきます。
目安として3ヵ月以上家賃の滞納が続くと、大家さん(保証会社)が訴訟手続きに着手するケースが多いです。(賃貸物件を契約するときは保証会社に加入することが一般的です)
滞納2ヵ月あたりまでは電話や郵便での督促となりますが、それ以上経過した場合はどのように裁判~強制執行まで発展していくのか詳しく見ていきましょう!
【家賃滞納による建物明渡し裁判の流れ】
―内容証明発送
家賃滞納から2~3ヵ月以上経つと「内容証明郵便」にて家賃督促状が送付されるのが一般的です。支払期日までに滞納分を支払わないと、強制退去になる可能性が高くなります。
そして、内容証明郵便は【証拠を残すための郵便】なので、入居者は「受け取っていない」「届いていない」などの言い逃れはできません。内容証明郵便が届いたら、大家さんが裁判所への申し立ても視野に入れているということになります。
―契約解除の通知
滞納が3~6ヵ月以上続くと、次は内容証明郵便で【賃貸借契約の解除通知】が届くでしょう。これを無視すると、大家さんが裁判所へ申し立てを行う可能性が高くなります。
―裁判
内容証明郵便が届いてから1カ月前後で裁判が始まります。
家賃滞納の場合、被告(家賃滞納をしている入居者)が欠席することは珍しくありません。入居者が来なければ来ないで欠席裁判となり、大家さんの言い分通りの判決が出ることが多いです。
一方、被告が裁判に出席し、滞納した家賃を支払うと主張したら、裁判官は和解案を原告・被告に提案する場合があります。和解案に合意すれば裁判は終了します。ただし、和解案で合意できなければ、最終的には判決で問題の解決を図ります。
―執行申立て
明け渡しを命じる判決が出ても、入居者が物件に住み続けている状態なら、裁判所に強制執行を申し立てましょう。
―執行官の催告
強制執行の申立てが受理されると、裁判所から入居者へ立ち退きの催告状が届きます。この催告状には指定の期日までに部屋の明け渡しを命じる内容が記されています。
しかし、それでも明け渡しをしなかった場合、ついに裁判所から執行官が派遣され、強制執行が始まることになります。
―強制執行
家賃滞納者には、催促日から1ヵ月間の引き渡し期日が設けられますが、催告書に明記した期日になっても、賃貸物件を明け渡さない場合はいよいよ強制執行が開始されます。
室内の家具や持ち物が運び出され、鍵の交換が行われて明け渡しの手続きは完了となります。(一定期間の間であれば保管場所へ取りにいくことが可能です。)
滞納した家賃の延滞金
物件を明け渡したからといって、未納分の家賃の支払い義務が消える訳ではありません。この未納分の家賃にともない、滞納期間に応じ遅延損害金が課されます。
遅延損害金は、家賃の滞納分に 賃貸借契約書に記載された利率:上限利率14.6% で計算されます。(契約で特に定められていなければ年利率3%まで)
今後の審査に通りにくくなる
賃貸物件を借りる際は保証会社に加入するのが一般的ですが、家賃滞納が続くと、返済能力に問題があるとされて、個人信用情報がいわゆる「ブラックリスト入り」となる可能性があります。
一般的に、2ヵ月以上滞納すると金融事故として扱われる場合があるので、今後の賃貸物件、クレジットカードやローンの審査に影響が出る可能性が高いです。
家賃の支払いが難しいときの対処法
家賃の滞納は基本的にデメリットしかありませんが、何らかの事情で家賃の支払いが難しいこともあるかもしれません。もしも、支払いが難しくなったときは、わかった時点で早めに大家さんや管理会社に連絡しましょう!
滞納してしまう理由を丁寧に説明し、家賃を支払う意志があることをしっかり伝えることで、分割払いなどに応じてもらえるケースもあるので、誠実に対応することが重要です。
そして、家賃を払えないような状況を防ぐためには、自身の経済状況に合った賃貸物件を選ぶことも大切ですね。毎月の生活が家賃に圧迫されているのであれば、無理のない家賃の家に引越すことも視野に入れましょう。
まとめ
家賃滞納のリスクは解説の通り、家賃を滞納して良いことは一つもありません。滞納が長引くほどトラブルが多くなるだけでなく、将来的に他の賃貸物件を借りるときにも悪影響を及ぼす問題です。
もし、家賃の支払いが負担に感じる場合は、家賃以外の出費を見直すなど早めに対策し、無理のない計画を立てるようにしましょう◎
万が一、どうしても支払いが困難な場合は、早めに大家さんや管理会社に連絡することが鉄則です!大家さんや管理会社に「何も言わずに滞納する」「連絡を無視して滞納を続ける」ことがないようにしましょう。
これから賃貸物件を探す方も、現在家賃の支払いに苦労している方も、自身の生活水準に合った賃貸住宅を見つけることで、安心して生活できる環境を整えてください◎
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