築古物件で空室ができた時の活用方法!

2026.2.22

築年数が30年以上経過しているような築古物件では、老朽化による修繕が重なりやすく、退去時の原状回復費による赤字修繕コストが家賃収入を上回る)は多くの大家さんが直面する問題です。

 

原状回復工事では、100万円単位の高額な修繕を行ったとしても、賃料アップに繋がらない、入居需要が見込めない等、費用対効果が見合わないリスクもあり実際に失敗する例も見てきました。売却や解体を見据えているアパートでは、退去が出たときに原状回復工事を行わず、そのまま物件を貸し出すことをやめる大家さんもいらっしゃいます。

 

そこで、築古物件では、退去が出た時に一度立ち止まり、「あと何年存続させるか」を考えることも大切です。

 

では早速、今回のテーマは【築古物件で空室ができた時の活用方法】です!当然、全ての物件に適用できる訳ではありませんが、空室対策の参考になれば嬉しいです。それでは早速見ていきましょう!

 

 

空室ができた時の活用方法とは

結論から言うと、築年数が経過した物件は「原状回復をせず、そのままの状態で倉庫(トランクルーム)として貸し出す」という方法があります。

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域など、一部の地域では倉庫(トランクルーム)への変更は不可です。

 

これは実際に、当社の管理物件でも採用している方法です。すべての物件に万能な方法ではありませんが、条件が合う物件においては収益の安定化や出口戦略として非常に有効な選択肢になり得ます◎ 具体的に条件が合う物件とは、どのような物件なのか見ていきましょう。

 

倉庫活用に向いている物件

■ワンルーム〜2K程度の間取り

■築年数がある程度経過している

■家賃相場が5万円前後

■木造アパートなど修繕費が嵩みやすい物件

 

このような物件では、退去後に原状回復費用が重くのしかかるケースが少なくありません。そのため、原状回復を行っても費用対効果が見合わないような物件では、原状回復をせずそのままの状態で倉庫(トランクルーム)として貸し出す方法が有効的です。さらに具体的に説明していきます。

 

原状回復費用の現実

大家さんにとって長期入居は嬉しいことですが、感謝と安心の裏側で「高額な原状回復のリスク」もあり、長く入居してくれたお部屋ほど【クロス全面貼替】【床の補修】【浴室の交換】など大規模な修繕が重なりやすく、原状回復費用が膨らみがちですよね。

 

場合によっては、100万円を超える見積り額が提示されることも珍しくありません。では、仮に100万円をかけて原状回復を行い、家賃5万円で再募集した場合を考えてみます。

 

■ 100万円 ÷ 月5万円  = 20ヶ月 

 

この通り、約20ヶ月(1年8ヶ月)住んでもらって、ようやく原状回復費用を回収できる計算になります。それまでの期間は、実質的には「赤字状態」です。では、倉庫として活用した場合はどうなるのでしょうか?

 

 

倉庫として活用する

住居と比較して、倉庫活用では原状回復を行わないため手出し費用はありません。その分、住居として貸し出すよりも家賃は下がりますが、初月から「黒字」になるという点が大きなメリットです◎

 

条件をまとめると、以下の通りです。

■大家さん側の初期費用0円

■そのままの状態で倉庫として貸し出す

■賃料相場は2~3万円前後

 

また、100万円かけて修繕した物件を家賃5万円で住居として貸し出すことと、何もせずに倉庫として家賃を下げて貸し出すことを比較してみると、

■倉庫として月2万円で貸した場合  → 住居貸しとの差額3万円  → 住居貸しの収益が逆転するまで約34ヶ月

■倉庫として月3万円で貸した場合  → 住居貸しとの差額2万円  → 住居貸しの収益が逆転まで約50ヶ月

 

つまり、賃料によって34ヶ月または50ヶ月以上、何のトラブル(修繕)もなく、同じ入居者が住み続けてくれて、ようやく「原状回復して住居として貸した方が得だった」という状態になります。

 

※補足しておくと、もちろん相場家賃で長期間を借り続けてもらうことができる物件であれば、しっかり原状回復を行い、住居として貸す方が『収益の最大化』に近付くのは間違いありません!

 

今回の方法は、「収益の最大化」ではなく「収益の安定化」あるいは「将来の売却や取り壊しを見据えた出口戦略」としてご参考ください!さて、ここまでは金銭的なメリットを中心にお話ししてきましたが、金銭面以外にもメリットがあります。

 

それは、

「大家業としてのストレスが大幅に軽減される」

という点です。

 

この場合の倉庫活用では、賃貸物件で大家さんの頭を悩ませがちな【入居中のトラブル対応】【退去時の精算】【原状回復費用】といった要素を排除することができます。

 

 

定期借家契約との相性が良い

さらに、定期借家契約にすることによって、将来的に建物を取り壊す予定がある場合や売却の際にも速やかに退去してもらうことが可能です。住居では敬遠されがちな定期借家契約ですが、倉庫用途だと、需要に対して供給が少なく代替物件が見つかりにくい為、借主に受け入れてもらいやすい傾向があります。

 

定期借家契約とは?

定期借家契約とは、定められた期間が終了すると同時に退去しなければならない契約のことです。契約期間は1年や2年の短期から5年以上の長期など、貸主が自由に設定することができます◎

 

また、契約更新はありませんが、貸主・借主双方が同意の上で再契約を行えば、継続して使用することも可能です。

 

大家さん側のメリットとしては、

■出口が読める(建替え・売却などを計画的に進めやすい)

■再契約で条件を見直せる

■立退料の交渉に巻き込まれにくい

 

などが挙げられます。このように貸主・借主双方が納得すれば有効的な方法といえますが、普通借家契約とはルールが異なるため、賃貸仲介会社と相談しながら契約内容を決めることが重要です◎

 

 

まとめ

今回は、少し視点を変えた賃貸物件の活用方法をご紹介しました。

 

原状回復をせず、倉庫として貸し出すという方法は、【初期費用ゼロ】【初月から黒字】【トラブルほぼ無し】【出口戦略にも使える】という特徴を考えると、条件に合う物件では堅実で再現性の高い選択肢になるのではないでしょうか。

 

「ちょっと古くなってきたけど、まだ入居者が残ってるから他を空室にしておくのも勿体ない」

「建替えや売却したいけど、既存の入居者が全員退去するまでの間、空室に新しく入居させる訳にもいかない」

「空室があるけど、高額な原状回復費用を捻出したくない」

このような物件がございましたら、選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

 

少しでもご興味がございましたら、周辺環境や間取り、本来の賃料等と比較して収支予測の作成や貸出方法など、詳しくご説明させて頂きます!ぜひ不動産カエルにご相談下さいませ。

 

 

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