自主管理の大家さんへ【敷金の取り扱い】
2025.11.24
今回は、自主管理の大家さんへ向けた「退去立会い」「敷金精算」についてのお話です!
大家さんではない読者様のために自主管理を簡単に説明すると、入居者対応や家賃回収など、賃貸経営に必要な業務を大家さん自身が行うことを「自主管理」といいます。
自主管理には、管理委託手数料がかからないなどのメリットがある反面、入居者とのトラブルが発生した際には大家さん自身で対応しなければならないという点があります。
また、今回のテーマでもありますが、賃貸アパートやマンションで何かとトラブルになりがちなのが「敷金返還」の問題です。それでは早速、敷金の精算時に注意したいことや知っておきたいことをご紹介していきます◎
退去後の修繕に、敷金はどこまで使っていいの?
例えば、10年以上住んだ入居者が退去したあと、壁紙や床が古くなっている場合、この入居者の敷金を使って古くなった壁紙や床を取り換えてもいいのでしょうか?
このように、預かっている敷金をどこまで原状回復に充てていいのか、疑問に思ったことがある大家さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
不動産の賃貸では、入居者から家主に対して敷金を預けていることが多く、この敷金は、滞納家賃や入居者が原因で生じた物件の損耗(傷や汚れなど)の修繕費などに充てられ、退去時に精算されて原則返還されるものです。
これは、入居者が部屋を明け渡すまで、貸主が金銭的リスクを負わないようにするための仕組みです。賃貸契約が終了した後には、入居者が家主に支払わなければならないお金を除いて、敷金は家主から入居者に返金されることになりますが、入居者が賃貸物件を傷つけたり汚したりしてしまった場合には、入居者負担で物件の損傷を元の状態に戻すという義務(原状回復義務)があります。
ここでポイント! 敷金を修繕費に使えるかどうかは次の通りです!
●入居者の不注意による傷やたばこの臭いなど ⇒ 原状回復の対象(修繕費に使える)
●通常損耗や経年劣化 ⇒ 原状回復の対象外(修繕費に使えない)
まとめると、 単に「古くなった」という理由だけで敷金は使えません。入居者の原状回復義務の対象かどうかを判断する必要があります。
原状回復の対象にならない通常損耗や経年劣化に該当するかどうかの判断は難しいのですが、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にその目安が示されています。
具体的には、入居者の不注意による傷や、たばこなどのヤニ・臭いは、入居者の原状回復の対象となるため、修繕費は敷金から補填される場合が多いです。
一方、日照による壁紙・床の自然変色や壁紙のポスター跡などは通常損耗や経年劣化であり、入居者の原状回復の対象ではありません。これらの原状回復は家主負担になるため、「壁紙や床が古くなっている」からという理由だけで敷金を使って取り換えることはできません。
また、入居者の最終的な負担金額は、修繕範囲や修繕方法による負担割合や修繕対象物の経過年数を考慮して算出されます。ご存知の方も多いところでいうと、壁紙は6年で存在価値1円となるように計算されるなど、原状回復に関する知識を身に付けておくことが大切です。
参考:
🔗国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
退去立会いのポイント
続いて、自主管理する物件で入居者が退去するときの流れをご紹介していきます。
まず、大家さん自身が退去立会いを行う場合は、入居者とともに部屋の状態を確認して、その修繕費の割り出しや負担割合を決めることになります。このとき、退去立会い時はチェックリストを用意し、破損箇所や汚れなどは写真に残しておくと、後から発生するトラブルにも対処できます。
また、具体的にどういうところを確認するべきなのかは国土交通省の原状回復ガイドラインを参考にすると良いですが、主に以下のような項目について確認する必要があります!
大まかなチェックポイント:
●たばこの匂い、汚れ、黄ばみ
●壁紙・クロスの傷や汚れ
●水回りのカビや水垢、水漏れ
●床の傷や汚れ
●網戸の破損や汚れ
●エアコンやウォシュレット、給湯器などの動作確認
●照明器具などの確認
●換気扇の動作確認や汚れ
●畳
●結露チェック
このような項目を確認して修繕費の負担範囲が決まったら、チェックリストに入居者からのサインをもらい退去立会い完了です。このチェックリストは、精算額に関する重要な書類となります。入居者からのサインは「同意」の証となるため、内容をよく確認してもらい、納得の上でサインをもらうようにしましょう。
立会いの最後は、入居者から鍵をすべて返却してもらいますが、スペアキーを作っていた場合はそれも含めてすべて回収することを忘れないようにしましょう。
参考:
敷金返還のよくあるトラブル
敷金に関しては、入居者の原状回復費用や滞納家賃などを差し引いた残額は返還する必要があります。その中で、よくトラブルになりやすいのは「返金される額が少ない」というものです。
「敷金は全額返ってくるもの」と思っている方がいたり、「全額返金ではないと知っているけどこんなに少ないの?」と疑問に思う方も多いです。このようなトラブルを防ぐために、少し前に出てきた【退去時の精算額に関する書類にサインをもらう】ことが重要なのです!
入居者が返還された敷金の額に納得できず、話し合いによる解決ができなかった最悪の場合は、法的手続きにまで発展する可能性があります。貸主と借主の認識の違いがトラブルを招く恐れがありますので、事前に敷金についてしっかりと説明しておくこと、契約書に明記しておくことが大切です◎
まとめ
賃貸物件を自主管理している場合、退去立会いは当日だけでなく、事前の準備や退去後の請求などさまざまな手間がかかります。退去立会いは、精算のトラブルを防止するという重要な役割があるため、もし自分でやるのは不安だなと感じたら、代行してくれる不動産会社を探すこともおすすめです。
また、敷金に関するトラブルを未然に防ぐためには、賃貸借契約書の作成がとっても重要です。契約書の内容が不十分だったり、具体的なことが欠けていると、大家さんが不利になってしまうケースがあります。
このように自主管理は大変なことが多いと感じる場合は、委託管理に切り替えるのも一つの手です。管理会社がいる場合は状況確認から修繕費用の算定および請求まで管理会社が担うため、オーナー様の負担が軽減できるでしょう◎
自主管理の手間を省略したいという方はぜひお気軽に不動産カエルまでご相談ください!もちろん、「自主管理の物件についてちょっと意見を聞きたいだけ!」などのご相談も承ります!

