生活保護を受けていると相続できない?

2024.11.8

 生活保護を受けている人が相続人となった場合、遺産相続はできるのでしょうか。

もしくは相続放棄はできるのか、生活保護は打ち切りになってしまうのかなど・・・

相続に関しては、疑問や不安を抱えている方が多くいらっしゃいます。

 

今回はそんな「生活保護を受給している」ケースにスポットを当てて解説していきます!

 

生活保護を受給していても遺産相続はできる

 遺産を相続することは、相続権がある全ての人に認められている権利ですので、

生活保護を受給しているからといって失われるものではありません。

そのため、生活保護を受けていても遺産は相続できます。

 

ただし、遺産を相続することで、生活保護の受給資格を満たさなくなると、

それ以降の生活保護の受給が停止または廃止になる可能性はあります。

 

また、生活保護受給者でも、一定額を超える遺産を受け取ると、

相続税の申告や納税が必要となりますので十分注意しておきましょう。

 

生活保護とは?

 まず、生活保護とは、

生活困窮者に対して最低限の生活費を支給しながら生活における様々な支援を行うことです。

 

遺産を相続したことで生活に困窮しなくなった場合は、生活保護が停止または廃止されます。

ですが、遺産をすべて生活費として使い切ってしまい再び生活に困窮するような状況になった場合は、

改めて生活保護の申請をすることが可能です。

 

少額の財産であれば、生活保護に影響はない

  相続した遺産を活用しても最低限度の生活の維持ができないようなら、生活保護の停止や廃止にはなりません。

例えば、現金を相続したものの1ヵ月の生活費に満たない場合は、生活保護に影響しないことがほとんどです。

ただし、状況次第では一定期間だけ生活保護費が減額となるケースもありますので、

早い段階で専門家や行政機関に相談しておくことが大切です◎

 

相続放棄はできる?

  相続放棄すること自体は可能ですが、場合によっては生活保護を打ち切られてしまう可能性があります。

なぜかというと、生活保護は、

所有している資産や能力をすべて活用してもなお生活に困窮する場合にのみ受給可能であるとされています。

そのため、相続した遺産は最低限度の生活の維持のために活用すべき、とも考えられるからです。

 

生活保護を維持することを目的として、遺産を受け取れるにもかかわらず放棄してしまうのは、

生活保護の受給資格を満たさなくなる可能性がある点には注意しておきましょう。

 

相続放棄するには要相談!

 下記のようなケースだと、相続放棄が問題になることは少ないです。

■借金などのマイナスの財産がプラスの財産を上回る場合

■処分が困難な不動産などがある

 

ただし、相続放棄すべきと思われる場合であっても、

遺産の金額や内容、受給者の生活環境を総合的に判断する必要があるため、

相続放棄を検討する場合はケースワーカーなどに相談して適切なアドバイスを受けることがおすすめです。

 

生活保護の返還に充てるケースもある

 実際に、生活保護を受給している相続人が、

相続した遺産を受給してきた生活保護費の返還に充てることで、

引き続き従来通りの保護を受けられることになったケースもあります。

 

これは、相続人が望み、

一時的な遺産を受け取るよりも安定した生活保護を受けることを希望したため、

行政機関にすべての状況を正直に相談した結果です。

 

適切に対応しなければ、生活保護にも影響してしまいますので、

ケースワーカーや弁護士などの専門家に早い段階で相談することが重要です!

 

ご相談は不動産カエルまで

 相続・税務・不動産登記など、

専門家に少しでも話を聞いてみたいという方はお気軽にお問い合わせください。

少しでもご不安なことがありましたら、ぜひ不動産カエルまで!

 

 

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