私道を共有しているとなかなか売却できない?

2026.4.21

相続した家を売却しようとしたときに、思わぬ問題が発覚し、予定通りに売却活動が進まなかったり、売却することができなくなってしまうことがあります。中でも、「私道に接している家を売却したいのに、思うように売れない」というケースはよくあります。今回ご紹介するのは、家が「私道」に接している場合に起こる問題についてです。ぜひご覧ください!

 

 

売却のご相談

相続をした家を売却したいのに、多くの不動産会社に立て続けに断られている」とお客様からご相談がありました。そんなに断られたのだから困難だろうと思いきや、面積は約30坪でちょうど良いです。方角も北向きですが間口があり、問題ありません。

 

そこで、問題があったのは、前面道路(私道)でした。

 

ただ、これはよくある事なので、なぜそんなに断られたのかと不思議に思っていたら、私道の共有者は、いち、に、さん、し・・・、なんと共有者が26名でした。この場合、多くの不動産会社が断る理由は、【時間と手間がかかり、その上で売れない場合がある】からです。

 

ですが、当社はやります! なぜやるかというと、まずは期待に応えたいというのと、この26名様との出会いは不動産という商売において、無駄にならない事が多いからです。いつか必ず誰かが、私に不動産のことで相談してくれます。

 

不動産の売却において道路はとても重要で、今回のような「共有」という問題では、売却する際に共有者26名から私道通行・掘削承諾書を得る必要があります。
※この後にも出てきますが、正しくは前回の民法改正時に通知だけで済むようになりました。しかし、浸透しておらず判例も出ていません。

 

私道通行・掘削承諾書とは、他人の所有する私道を通行したり、水道・ガス管の掘削・埋設工事を行ったりする際、所有者全員から許可を得た事を証明する書面です。不動産売買や建築工事において、将来のトラブル防止や住宅ローン審査のために不可欠な書類であり、基本的には共有者全員の同意が必要となります。

 

その書類に26名のご署名とご捺印をもらうのです。コツコツとインターフォンを押し、書類を積み重ねていきます。

 

詐欺やコロナなどがあるのに、こんな方法で上手くいくか疑問ですよね?(お察しの通りでたまにものすごく疑われます)余談ですが、町会の人や、理事長、組合長などの方と仲良くなれれば、一緒に周ってくれてスイスイ進むこともあります。

 

さて、本件も粘り続けて無事に26名の書類が揃い、相続された家を売却することができました。ご協力いただいた26名の共有者様へお礼の手紙を送り、一件落着!ご相談者様にも感謝されました。

 

今回の事例のように、共有私道の問題でお悩みの方は多くいらっしゃるかと思います。そこで、共有私道の不動産はどうして売却が難しいと言われるのか、ここから売却するために有効的なポイントをさらに詳しく解説していきます!

 

 

そもそも私道とは?

そもそも私道とは、国や自治体が管理している「公道」と異なり、個人や法人が管理・所有している道路のことです。私道の通行や利用には、所有者の許可が必要です。逆にいうと、所有者以外が勝手に通行することができないという特徴があります。

 

また、共有私道には「共同所有型」と「相互持合型」の2種類があり、不動産を売却する際には、どちらに該当しているのかを正しく把握しておきましょう。

 

■共同所有型:複数人で私道全体(1筆の土地)の所有権を共有する方法
■相互持合型:所有者の数に分筆し、各区画をそれぞれが単独で所有する方法

 

どちらの私道だとしても、共有している以上は時にトラブルに巻き込まれる可能性もあり、買主からすると大きな不安要素になりますよね。そこで、私道に接する不動産を売却する際には、「私道通行・掘削承諾書がある」ということが安心材料となります。

 

私道通行・掘削承諾書によって得た承諾は、所有者から譲渡された第三者に対しても有効とされています。つまり、売主が得た承諾は、後の買主に対しても有効です。もし、通行承諾がない場合は、売却の前に得ることを検討してください。

 

このように私道には、所有者の意向が大きく反映されます。そのため、管理や利用を巡ってトラブルが起こってしまうことがあります。よくあるケースを見ていきましょう。

 

 

私道の共有でよくあるトラブル

①通行について

私道の共有者間では、通行に関してトラブルになることがあります。代表的な例として、日常的に私道に車を停めてしまう人がいたり、私物(植木など)を置かれたりすることで、他の共有者の通行が妨げられるケースはよくあります。

 

②掘削について

建て替えや新築の際、水道・ガス・下水などのインフラを引き込むために、他人の所有部分を掘削する必要がある場合があります。この工事には、共有者全員からの「掘削承諾書」がなければ着手できません。一方で、前述の通り、ライフラインの埋設を目的とした私道の掘削は、法改正により所有者の承諾がなくても必要な範囲内で工事できるようになりました。しかし実際には、水道局・ガス会社・金融機関・買主の安心材料として、今も承諾書の有無が重要視されています。

 

③維持管理について

管理においても、「自分はほとんど通らないから」といってアスファルトの補修、清掃、除雪などに協力しない人が出てくると、維持管理に対する意識の差によって対立が起こりがちです。日常的に挨拶をする仲だったのが態度を一変したり、近隣住民との関係性が大きく影響します。また、工事が必要になって費用が発生する場合、費用の負担方法を巡ってトラブルになることがあります。

 

④共有者が不明

不動産が相続によって引き継がれたことで、どこに住んでいるか分からない人が共有者に含まれていることがあります。こうなると、必要な承諾を得ることが物理的に不可能になるため、共有者全員の同意が必要な場面では大きな障害となります。この問題は、売却手続きを完全に停止させてしまう程に深刻な事態であり、解決には家庭裁判所への申立てが必要になることも少なくありません。

 

 

私道に接する不動産を売却するポイント

ここまで、共有私道の不動産売却は、いかに専門的な知識と交渉力が必要になるかをご紹介させていただきました。ここで覚えておいていただきたいのは、「問題があると絶対に売却ができない」という訳ではなく、「問題を解消する」ことが売却するための大きなポイントとなります◎

 

売却の鍵を握る2つの解決方法!

①私道通行・掘削承諾書を取得する

私道に接する不動産を売却するときに特に重要なのは、何度も出てきた通り「私道通行・掘削承諾書」があることです。口約束ではなく、書面で共有者全員から署名・捺印をもらうことが大切で、トラブルを避けるにも書面があると買主の不安要素も解消することができます◎

 

②建築基準法を確認する

あわせて、私道が建築基準法上の道路として認められているかどうかの確認も欠かせません。建築基準法における「再建築」は、敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接している「接道義務」を満たすことが原則です。万が一、条件を満たしていない場合、建物の建築や増改築が制限されます。これは不動産の価格にも大きな影響があるため、事前に調査し、買主に正確な情報を伝えることが大切です!

 

 

まとめ

今回のように【多数の共有者がいる】という状況は、不動産を売却する際には大きなハードルとなりますが、営業担当の粘り強さで解決することも可能です。このような複雑な案件は、地域に根差した不動産会社に相談することがおすすめです!

 

というのも、こうした「訳あり物件」こそ、大手不動産会社より「地域密着型」の不動産会社に相談するほうがメリットが大きいからです。例えば、地元の不動産会社だと、私道の共有者と面識があってスムーズにサインをもらえたり、町会の人と交流があることも少なくありません◎

 

「なかなか問題が解決できない」「売却が思うように進まない」「不動産会社が見つからなくて困っている」等のお悩みは、川口市で創業50年の不動産カエルに是非ご相談ください。

 

共有私道の問題だけでなく、不動産の相続・売却・購入・賃貸・管理など、なんでもご相談ください!

 

 

 

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