不動産の囲い込みとは? 囲い込みのデメリットや対処方法を解説します!
2024.11.22
不動産の売却をする方が気をつけたい「囲い込み」をご存じでしょうか?
不動産の囲い込みとは、お客様の利益よりも不動産会社が自社の利益を優先する行為です。
そこで今回は、不動産の囲い込みの概要やお客様が受けるデメリット、囲い込みを防ぐ方法についてご紹介します。
不動産の売却で損をしないように、「囲い込み」について知りましょう!
不動産の囲い込みとは?
不動産の囲い込みとは、売り手から依頼された物件を不動産会社が意図的に他社に紹介しない行為のことです。
不動産業界では、業界全体で物件情報を共有し合う「レインズ」というデータベースに情報を登録します。
しかし、囲い込みをする不動産会社は、レインズへの情報登録を1回だけ証拠のために行い、すぐに取り下げたり、
他社から買い手の紹介があった際に「すでに申し込みが入ってる」と虚偽の報告をして断るのです。
これは、物件を他社に売らせずに、自社で売るためです。
囲い込みを行う目的
不動産の囲い込みをする目的は、自社の利益を増やすためです。
売り手と媒介契約を結んだ不動産会社は、自社で買い手を見つければ、売り手と買い手の両方から仲介手数料を受け取れます。
このような取引を「両手仲介」と呼びます。
一方、他社からの紹介で買い手が見つかる取引は「片手仲介」です。
片手仲介で取引が成立すると、売り手からしか手数料を受け取れず、両手仲介に比べて利益が減ります。
このように、意図的に両手仲介にすることで自社の利益を増やすことが囲い込みの目的です。
囲い込みによる売主側のデメリット
不動産の囲い込みをされると、売り手側には以下のデメリットが生じます。
・売却活動が長期化する
・値下げを迫られる
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
売却活動が長期化する
囲い込みをされると、売却活動は長期化します。
なぜなら、他社に物件の情報が流れなくなるため、買い手が見つかりにくく売却までに時間を要します。
売却の目的が金銭面や住み替えの場合、売却活動が長期化すれば生活に支障をきたす可能性もあります。
値下げを迫られる
囲い込みをされている場合、物件の情報が他社に流れず、なかなか買い手が見つかりません。
買い手が見つからずに売却活動が長期化すると、不動産会社は「物件が売れないのは価格が高いから」と売主に値下げをするよう説得します。
その結果、本来売却できたであろう金額よりも低い金額で売却することになる恐れがあります。
囲い込みされているかを確認する方法
不動産を売却する際に囲い込みをされてしまうと、前述のようなデメリットを被る可能性があります。
そのため、意図的に囲い込みをする不動産は避けたいとお考えになることでしょう。
そこでここからは、囲い込みをされているかを確認する方法についてご紹介します。
レインズの登録状況を確認する
レインズの登録状況を確認することで、囲い込みの有無を判断できます。
なぜなら、囲い込みをする会社はレインズに登録をしないためです。
不動産会社がレインズに物件を登録すると、「登録証明書」が発行されます。
登録証明書に記載されている登録内容確認のURLにアクセスして、レインズの登録状況を確認しましょう。
IDとパスワードを入力すれば、不動産会社でなくても自分の物件の取引状態を確認できます。
他の不動産会社に問い合わせてもらう
知り合いに不動産会社がいれば、その不動産会社から売却を依頼した物件について問い合わせてもらう方法もあります。
「すでに商談が進んでいる」「売り出しは中止した」など、理由をつけて内覧を拒否する返答があった場合は、囲い込みを受けている可能性が高いといえるでしょう。
本当に商談が進んでいたり、売り出しを中止していたりしたら、その状況を売り手側も把握しています。
売り手側が認識していない理由で内覧を拒否する場合は、意図的に他社の紹介を断っていると判断できます。
囲い込みが判明したら?
不動産会社と契約した媒介介契約(売却活動の契約書)期間中でも中途解除ができます。
媒介契約の中途解除をすると、違約金の記載がある場合は違約金を請求される可能性がありますが、
不動産会社に非がある場合は不動産会社の不当行為であるため違約金なしでの解除が可能です。
前述の確認方法などを用いて囲い込みの事実が発覚した場合は、遠慮なく中途解約を申し出ましょう。
囲い込みを防ぐには?
違約金なしで中途解約できるとしても、そもそも囲い込みをする会社は避けたいと考えることが一般的です。
そこでここからは、囲い込みを防ぐ方法についてご紹介します。
以下の方法を実践して、囲い込みをする業者への依頼を避けましょう。
「囲い込みをしないと断言する不動産会社」に依頼する
両手取引率について掲載されているWEBページ記事が存在しますが、有名企業がずらりと並んでいます。
逆に親族の不動産会社に囲い込みをされる売主様も数多く存在し、この囲い込みは半ば当たり前のように行われております。
「対応が丁寧であること」や、「査定価格や売却の方針が分かりやすいこと」や、
「資料やツールがたくさんありしっかりしていること」などは全く関係がありません。
また、インターネットで口コミや評判なども、現在は低評価を抹消したり、高評価を大量に投稿したりするサービスが存在し
不動産会社の広告料でもって操作されている場合があるため、極端に評価が少ない、あるいは評価が多い場合はかえって危険な不動産会社と言えます。
では、どのようにしたらよいでしょうか?
明確に「囲い込みをしないと断言する不動産会社」に依頼するべきです。
一般媒介契約を検討する
売り手と不動産会社が結ぶ媒介契約には複数の種類があります。
なかでも一般媒介契約は一般的に囲い込みがされにくいとされている方法です。
他の専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合、売り手が契約できる不動産会社は1社のみという制限があります。
その一方で、一般媒介契約は複数の不動産会社と同時に契約できるため、囲い込みは困難です。
なお、媒介契約ごとの特徴や違いについては、次の章で詳しく解説します。
大手不動産会社なら囲い込みは無いか?
大手不動産会社でも、両手取引が目的の囲い込みがないとはいえません。
ダイヤモンド不動産研究所の調査結果では、大手不動産会社でも両手取引比率が40%を超える会社は多数あることが分かります。
囲い込みは売り手側にデメリットがあるため、「大手なら安全」と思い込まずに、信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。
参考 ダイヤモンド不動産研究所
「大手不動産仲介は「囲い込み」が蔓延?! 住友や三井などは40%以上! 売却時は両手比率が高い会社に注意を」
https://diamond-fudosan.jp/articles/-/148998
(参照日:2024年11月22日)
媒介契約ごとの違い
不動産の売却時に結ぶ媒介契約は、一般媒介契約・専属専任媒介契約・専任媒介契約の3種類に分けられます。
それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、売却の目的に合わせて最適なものを選びましょう。
一般媒介契約
メリットとしては複数の業者に売却の仲介を依頼できるため、1社による囲い込みはできない点が特徴です。
一方、契約に有効期限はなく、レインズへの登録義務もありません。
不動産会社からの売主への進捗報告も任意です。
売り手は自分自身で買主を見つけることも可能で、幅広く買い手を探せる方法です。
デメリットとしては、不動産会社にとっては広告が無駄になる事もあり
専属専任媒介契約や専任媒介契約と比べて広告の優先度を下げる企業もあります。
ただし他社との競争の為、かえって広告をするという企業もありますので、一概には言えません。
専属専任媒介契約
契約した不動産会社1社だけに仲介を依頼します。
他の不動産会社に仲介は依頼できず、売り手は自分自身で買主を見つけることもできません。
契約の有効期限は最大で3カ月という定めがあります。
また、媒介契約成立から5日以内にレインズへの登録が義務付けられています。
1週間に1度以上の頻度で依頼者へ仲介業務の実施状況を報告する決まりです。
自由度は低いものの、不動産会社は契約時に必ず売り手より手数料を頂けるため、広告を強化します。
専任媒介契約
専属専任媒介契約同様、不動産会社1社だけに仲介を依頼する媒介契約です。
専属専任媒介契約との違いは売り手が自身で買主を見つけられる点です。
契約の有効期限は最大3ヶ月で、媒介契約成立から7日以内にレインズへの登録が義務付けられています。
2週間に1度以上の頻度で依頼者へ仲介業務の実施状況を報告する決まりです。
売り手が自分でも買い手を探したい場合に向いていますが、基本的には専属専任媒介契約と類似しています。
囲い込みは違法か?
囲い込み行為が問題視されたことで、2025年に囲い込みに関する法律が改正されます。
ここからは、2025年の法改正について詳しく解説します。
改正内容
宅地建物取引行法の改正によって、2025年1月1日以降レインズへの登録内容に虚偽があった宅建業者は、是正指示や業務停止処分などの対象です。
また、特定の不動産業者のみに物件情報を提供したり、他の業者への情報開示を拒否したりする行為も対象です。
参考 国土交通省 宅地建物取引業法 法令改正・解釈について
法改正で囲い込みは無くなる?
法律違反は営業停止や罰金などの罰則に課せられるだけでなく、会社の信用問題にもつながります。
そのため、不動産会社への囲い込みの行為に対する意識づけの1つにはなり得ます。
しかし、この改正だけで囲い込みを完全に無くすことは難しいことが現実です。
なぜなら、レインズのステータスを嘘偽りのないものにしていたとしても
「売主様の都合が悪くて内見を受けられない」や「担当者が不在」などの理由を作れば、他社を数日間は遮断できてしまうためです。
法律の改正は囲い込みの抑制にはなるものの、自身で信頼できる不動産会社を見極めることは引き続き必要といえるでしょう。
川口市の不動産売買なら不動産カエル!
当社は不動産を買う・売る・借りる・貸す・買取と、不動産全般を取り扱う不動産会社です。
不動産の売却は囲い込みをせず、物件情報を誠実に周知しています。
両手取引比率は15.7%(2023年度)を実現し、お客様の高価売却をサポートします。
川口市の不動産売買は、不動産カエルにお任せください!
まとめ
不動産を売却する際、少しでもよい条件で取引したいものの、売却額は依頼する不動産会社に左右され、囲い込みをされると損をするリスクが高まります。
2025年以降、囲い込みに関する法律が改正されることで一定の減少は期待されます。
その一方で、法改正後も囲い込みを完全になくすことは難しいため、複数社を比較して信頼できる不動産会社を見極めることが大切です。
囲い込みについての理解を深め、対策を講じながら売却を進めましょう。